大垣 岐阜 各務原のメンタルケア カウンセリングルームYou&愛
みなさん、こんにちは。
プロフェッショナル心理カウンセラーの溝俣ともみです。
みなさんには大嫌いなもの、苦手なものがありますか?
わたしは蜘蛛の巣が大嫌いです。見かけるとすぐに排除していました。娘たちに言わせると彼女たちが小さいとき、クモの巣を見つけたら、ものすごい形相でクモの巣を壊していたそうです。そのときのわたしは、怒りに近い感情が湧き、蜘蛛ごと抹殺しないといられない感覚にとらわれるのです。
なんでそんなに蜘蛛の巣が嫌いなのか、今までずっとわかりませんでした。とにかくムカついて仕方がなかったのです。でも以前ドラマセラピーを受けたとき、子どもの頃みていたアニメ「みつばちハッチ」の話をしました。蜘蛛の巣に絡まってもがいている仲間をハッチが助け出す場面です。
なぜその場面のことを思い出したのか、わたしにとってクモの巣は、体中に糸が絡まって逃れられない、行動の自由が奪われ、自分の感じたまま動くことができない、そんなイメージをもっていることに気が付きました。
私の父はとても支配的な人で、言うことを聞かないとよく叩かれたりしました。それでもわたしは、必死でそういう親と戦ってきました。ですが、結婚し義理の両親と同居するようになってからは、わたしは家の中では、自分の言いたいことも言わずに過ごしていたのです。なぜそうしてきたのか、それは自分自身の大事にしている価値観に紐づいていました。ですが、当時のわたしはまだそのことには気が付いていません。
今思えば、いままでずっと、わたし自身が自分の体に蜘蛛の巣の糸がずっと絡みついているような感覚だったのだと思います。子どもの頃のわたしは、ハッチに助けてもらいたい、結婚してからは、自分の味方がほしかったのでしょう。
それが自分の中で理解されたとき、まるでお腹の中に何かがすとんと落ちたような感覚になりました。
クモの巣を見たときに湧き上がってくる怒りの感情は、どこから来て誰に向かっているものなのか、そういうことをすべて理解したのだと思います。その体験をしたときから、蜘蛛の巣を見ても、いままで感じていた怒りのような感情は湧かなくなりました。次女に改めて、最近蜘蛛の巣を見ても反応しなくなったと言われたことがあります。それはわたし自身が心理学でいう「統合」を味わった瞬間でした。
芸術セラピーの中で、わたしはこの小さな統合をいくつか体験することができました。自分のなかでなんだか正体が分からずモヤモヤしているもの、それを絵にしてみたり、箱庭を作ってみたり、そうやってクリエイティブに表現することで、自分のちいさな統合を感じることができる。それが芸術セラピーの醍醐味なのです。